利便性の高い移動手段の確保。

桐田まこと

2018年03月07日 16:42

 皆さん、こんにちは。
 昨日、無事に質問を終えました。
 今回は、交通弱者に対する移動支援について、「利便性」に立脚したうえで二つの観点から姿勢を質しました。
 一つ目は、今後、交通弱者になることが懸念される運転免許証自主返納者に対する支援について、二つ目は、交通弱者に対する現状の施策に対する評価と新たな枠組みの検討について、提案型の質問を行いました。
 私は、制度を作るうえで重要なことは、誰もが理解しやすく、利用しやすい制度であることが大切であると思います。
 制度という枠組みがあっても、利用しにくいものであっては成り立ちません。
 この観点から、現状、一番利便性の高い枠組みは何か、そのうえで、整備するにあたっての課題は何かを見極め、その課題の解決に必要な手段は何かを考え、利用者や対象者にとって有効な施策を検討、提案していくことが重要であると認識します。
 この点において、私は、現状の制度が有効に機能しているのかを再点検する必要があると認識しています。
 交通弱者の生活圏内移動支援において求められるのは、多様化している生活スタイルに合致した利便性の高い移動手段の確保であり、大量輸送から個別輸送への大胆な転換であります。
 私は、停留所や駅に行くまでの移動や乗り継ぎのない、ドア・ツー・ドアを見据えています。この点で自家用車に近い利便性を備える、タクシー利用に対する支援が有効であると考えます。
 当然、利便性が高いということは付加価値であり、料金に転嫁され高くなります。
 鉄道やバスの運賃に比べ、利便性の高いタクシー運賃が高くなるのは、このためです。
 私は、この高額な運賃の軽減と高い利便性の確保の整合が図れれば、既存の枠組みの中においても交通弱者の思いに沿う施策の展開が可能であると考えます。
 両者の価格弾力性は、前者に比べ後者が大きいと言えます。
 このことから、タクシー運賃に助成を行い経済的負担を軽減し、バスや鉄道運賃に近づけることで、その利用は大きく増加することが想定できます。
 これにより、交通弱者が今まで、控えていた外出の機会が増え、社会や地域との交流が図られ、孤立化を防ぐことが可能と考えます。また、交流や外出は、消費行動を促し、経済的な分野にも波及するものと考えられます。
 需要が増え、供給が増えれば、新たなサービスや機能が生まれ、より利便性が高まるという自立した循環を生みます。
 交通弱者の移動支援という分野における助成を投資ととらえた場合、その効果は高いものと考えます。
 タクシーを利用する方々には、快適な移動手段が確保され、制約されることなく自らの目的を叶えることができます。
 一方、タクシー会社は、効率よく車両を展開できます。
 同様にバス会社についても路線や機能の棲み分けなどを図ることができ、柔軟な展開が可能となります。
 目的先の商業施設では、潜在需要の顕在化により顧客層の充実につながります。
 文化施設では、多様なコミュニケーションが図られ、更なる発展につながります。
 そして、行政は、これらを包含し、地域活性、文化振興、健康増進などあらゆる分野で大きな効果が得られると考えます。
 現在、乗り合いタクシーという形態で実証実験が行われていますが、利用率が低調であります。
 私は、「利便性」に課題があると認識しており、このたび提案したように、利便性の高いタクシーにおける移動支援について効果検証を行うべきと考えます。